〈はじめに〉
開発許可において各開発区域(私有地)で雨水排水の処理をすることは、周辺区域の河川の洪水・氾濫・越水を未然に防ぐ事につながります。そのなかでも降雨強度(mm/h)は雨水処理対策のキーポイントで放流先の状況により地域で決められている数値が異なり雨水処理の方法もさまざまになってきます。また、開発許可の基準で定められている雨水処理方法は重要になり、雨水浸透貯留槽を使用した場合はのちに増築した時のためその容量を1割ほど大きく見込んでおくことも重要になります。
今回は、工場建設の開発行為1ヘクタールの敷地規模を例えに雨水処理方法の考え方をまとめました。以下の通りご参照ください。
目次 開発許可の雨水処理基準~雨水浸透貯留槽とは?
1.都道府県ごとの開発許可の手引を確認
2.システムパネル浸透貯留槽 配置例
3.雨水浸透貯留槽の必要容量算定
4.システムパネル浸透貯留槽の容量
5.桝とトレンチの雨水浸透貯留槽の容量
1.都道府県ごとの開発許可の手引を確認
・都道府県ごとの開発許可の手引で雨水処理方法の基準を確認。
2.システムパネル浸透貯留槽 配置例
・システムパネル浸透貯留槽の配置場合…駐車場or緑地の空きスペースに配置。
・例:降雨強度50㎜/h以上の部分をオーバーフロー管にて雨水公共下水道に排出。
(降雨強度は地域ごと自治体に確認が必要)
※昨今の豪雨急増に伴い、100㎜/h程の降雨強度も多数地域があるようです。
そのため、豪雨多発地域では大きく浸透貯留槽を見込んでおくことも重要になります。
3.雨水浸透貯留槽の必要容量算定
1)開発許可の基準(都市計画法 第33条 1項三 排水施設に関する基準)
都市計画法第33条1項三号の基準に従い雨水調整池・雨水浸透槽を設置し洪水対策とする。
2)必要雨水浸透貯留槽の容量
工場立地法により緑地面積10%~20%以上によりますが、大体1ヘクタールの規模で
工場の雨水浸透貯留槽の容量は350㎥~400㎥程度必要になると考えられます。
以下算出方法です。
①降雨強度
地域ごと自治体に確認必要。…今回は50㎜/hで考える。
②流出係数の標準値
参考表:
工種別 | 流出係数 |
屋根 | 0.85~0.95 |
道路舗装面 | 0.80~0.90 |
その他の不浸透面 | 0.75~0.85 |
水面 | 1.00 |
間地 | 0.10~0.30 |
芝・樹木の多い公園 | 0.05~0.25 |
勾配のゆるい山地 | 0.20~0.40 |
勾配の急な山地 | 0.40~0.60 |
砂利敷き | 0.15~0.30 |
(原則として表の中間地を使用)
③計算方法
・平均流出係数計算: 面積 × 流出係数 / 敷地面積
例:建物屋根面積 4000㎡ × 流出係数 0.85 = 3600㎡
舗装面積 3500㎡ × 流出係数 0.9 = 2975㎡
緑地面積 2500㎡ × 流出係数 0.15 = 375㎡
3600㎡ + 2975㎡ + 375㎡ / 敷地面積 10000㎡(1ha)= 0.695
↓
・必要雨水浸透貯留槽の容量(V):1/360×f×r1×A×60×t
f :平均流出係数 … 0.695
r1 :降雨強度 … 50㎜/h
A :開発区域の面積(ha) … 1ha(10000㎡)
t :降雨継続時間(60min)… 60
代入すると
→ 1/360 × 0.695 × 50 × 1 × 60 × 60 = 347.5
≒ 350㎥の雨水浸透貯留槽の容量が必要
4.システムパネル浸透貯留槽の容量
・システムパネル浸透貯留槽のメーカー様より容量の確認。
・地盤面からシステムパネルの距離が50㎝以上ある場合は25トン以下の自動車荷重とする。
5.桝とトレンチの雨水浸透貯留槽の容量
桝とトレンチの雨水浸透貯留槽は、建物周囲通路など狭い場所は工事の施工が困難で、さらに建物自体や建物周囲の室外機置場の周囲等に設置してしまうと、桝やトレンチが水で満たされているため地盤沈下する可能性があり、あまり設置することは推奨しません。
一般的な雨水桝・雨水配管をお勧めいたします。
【補足】
・都市計画法(開発許可の基準) 第33条 1項三号 排水施設について
・開発許可申請
・開発許可申請の手引き
・開発許可看板
・開発許可 第29条
以上ご参照いただきありがとうございました。
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