完成

栃木県工業団地の食品工場様より、工場で使用する配管が特殊で長く建物内で保管ができないので、現状は外壁沿いで保管しているため、配管の汚れと劣化がみられ、使用時衛生面に気遣いながら洗浄して使用していました。対策のため配管の衛生面と保管状態が十分に保てるよう配管倉庫新設し架台を設置してほしいとのお声がありました。

設置するにあたってお客様と一緒に話し合い工場敷地内のどこに配管倉庫を設置するか、どの様な配管倉庫が良いのか、お客様と一緒に決定いたしました。また建物で使用する材料も関係しますが防火・準防火指定なし法第22条区域で建物を増築する場合、配管倉庫の増築の延床面積合計が10㎡以下で設計したことにより、建築確認申請が必要ないため、納期的にも早く、コスト的にも効果的になりました。

【設計図作成・所轄事前協議】

配管倉庫 平面図・屋根伏せ図

配管倉庫 立面図

設計条件

1)建築確認申請を無しにするため延床面積を10㎡以下にする。⇒所轄(土木事務所と消防署)に事前協議し了承してもらう。※実施設計は9.72㎡としました。
2)延焼の恐れのある部分を隣地境界線から裏側外壁面の距離を3m以上離す事。防火構造の有無⇒無しとする。※隣地境界線からの距離を3.25mとしました。3m以内になる場合は防火構造として石膏ボード2枚設置必要。
3)配管の最大長さ5mを保管したい。※建物長手方向寸法を5.3mとしました。
4)配管の架台の高さを1.5m設置する。※配管倉庫の建物高さ3.1mにしました。将来配管が増えた場合でも上部に設置するスペースを空けておきました。

【丁張・掘削・砕石】

・最初にお客様と一緒にお清めをさせていただいた後に着工をはじめさせていただきました。
・建物の正確な位置を出すため丁張作業を行います。(基礎の高さ・通り芯の目印を表記します。)
水杭(みずぐい)・水貫(みずぬき)が動かないよう筋交い貫(すじかいぬき)を斜めに打ち込みしっかりと固定し、トランシット・レベルを使用し正確な直角・水平を出します。

丁張
丁張

建物の基礎は地盤下に作るため地面を掘らなくてはならない作業です。一定の深さまで地面を掘ることで基礎コンクリートが打設できる状態にします。根切底で床から55cm掘りました。
堀削計測
堀削計測

堀削
堀削

次に砕石10cmを敷き、しっかりと転圧を行い基礎底面の地盤を締固めします。
基礎形状を正確に造成するため、床下は乾燥した状態を保つため防湿シート敷き、外周部に捨てコンクリート5cm打設しました。
防湿シート・捨てコン①
防湿シート・捨てコン①

防湿シート・捨てコン②
防湿シート・捨てコン②

【基礎工事】

型枠組立と砕石の上に配筋D13@200を設置し、生コンクリートを根入れ部分40cm、土間部分20cmを打設しました。配筋と基礎のタイミングに合わせてM12アンカーボルトのセットをしますが、アンカーボルトのセットでは柱から伝わる荷重を基礎へと流すという重要なボルトですので、ここでは基礎工事の中でも後戻りができない作業なので全集中!が必要となります。生コンクリート打設状況では設計基準強度をFC=24N/m㎡を打設して一週間ほど養生期間を経て型枠を外します。事前にも確認していますが、再度レベルは大丈夫か?位置は大丈夫か?ネジ山は適切か?等しっかりと確認作業を行います。

☆ワンポイント

Q)コンクリートのFC=24N/m㎡って何?
A)FC(エフシー)建造設計の時に基準とした圧縮強度。構造安全性上必要になり耐久・剛性をいいます。
※今回も腕のいい職人さんがしっかりといい仕事をしていただけました。

配筋D13=200
配筋D13=200

型枠・生コン打設
型枠・生コン打設

型枠外し
型枠外し

アンカーボルト
アンカーボルト

【鉄骨工事】

・鉄骨を組立て仮締・本締作業を行い次にボルトが緩んでいないかしっかり確認作業を行います。
・鉄骨で柱や梁等組み立てていきますので段々と建物らしくなってきて建物のイメージが湧いてきます。
・鉄骨工事では安全が第一を守って作業を行いました。

鉄骨工事
鉄骨工事

【外壁・屋根工事】

・屋根には屋根ハゼ折板を取付、外壁には金属角波トタンで建物の外観をすっきりとシンプルに見えるよう設置し、建物外部・内部には雨・ホコリ等が侵入しないようコーキングもしっかりと行いました。

外壁・屋根
外壁・屋根

建物外部コーキング
建物外部コーキング

内部コーキング
内部コーキング

【アプローチコンクリート】

・天候が悪い時、雨水が配管倉庫内に入り込まないよう出入口には若干の傾斜をつけました。
・配管を運搬する作業者の足元がぶつかっても怪我をしないようアプローチの角を面取りし安全に考慮しました。

アプローチコンクリート打設
アプローチコンクリート打設

アプロ―チ完成
アプロ―チ完成

【ドア設置】

配管運搬時に配管が出入口でぶつからないよう、通常のドアより大きくし、スムーズに運搬作業がしやすくしました。

ドア設置
ドア設置

【架台設置】

真っ直ぐな配管を保管中変形しないよう架台設置時には、レーザーレベルを使用し正確な位置を出し慎重に設置しました。

架台設置
架台設置

完成
完成

お客様からご依頼があって着工してから約1か月かかりましたがお客様より、配管の出し入れがしやすい!配管がすぐに見つけられる!配管の保管状態が良くなり衛生面が保てる!とうれしいお声がありました。お客様の希望を形にできてうれしい限りです。厚く御礼申し上げます。